第105章

陸原海人が担架に乗せられた時点で、すでに深い昏睡状態に陥っていた。

オフィスに残ったのは、陸原紀川だけ。

彼は床にへたり込み、きちんと整えていたはずの髪はぐしゃぐしゃで、私を見る目には――吐き気がするほどの、いわゆる『失望』が滲んでいた。

「白原花……満足か?」

しゃがれた声。ひとつひとつの言葉が、歯の隙間から無理やり絞り出されるみたいだった。

「確かに俺は君に負い目がある。だが……こんな罠を仕掛けて、俺に株を差し出させて、父さんを人前で侮辱して……陸原家の一生を潰すなんて。お前は怖い。俺、今までどうして気づかなかったんだ。こんなに冷たくて、陰険で……」

被害者面も、ここまでくる...

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