第106章

私はまつ毛を伏せ、デスクに置かれた陸原グループの持分変更書類を見つめた。自分でも気づかないほどの茫然が、声に滲む。

『陸原海人が倒れた瞬間とか、陸原紀川が床にへたり込んで絶望してる姿を見ても……思ってたほど、胸がすっとしたわけじゃなかった。さっき一人でここに座ってて、ふと考えたの。私、やりすぎたのかなって。冷たくなりすぎたのかなって。だって、陸原海人はもう歳だし……陸原家は、これで完全に終わった』

ビジネスの世界では、私は刃を踏み越えてでも進まなきゃいけない。冷酷で、容赦なく。

けれど鎧を脱げば、私だって血の通った人間だ。

毒婦と罵られるのは怖くない。

怖いのは、この終わりのない駆...

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