第14章

店員は彼女の剣幕にぎょっとして、反射的に一歩引いた。それでも接客の仮面は崩さず、丁寧に言う。

「お客様、どうか落ち着いてください。お買い上げをご希望でしたら、先にお支払いをお願いいたします」

「払えばいいんでしょ!」

陸原園子は自分のカードを取り出し、カウンターに叩きつけた。

「ほら、切って!」

店員はカードを受け取り、職業的な笑みを貼りつけたままPOSを操作する。

数秒後、カードを差し出しながら――その笑みがどこか微妙に歪んだ。

「申し訳ございません、お客様。残高が不足しております」

空気が、ぴたりと凍りついた。

陸原園子の顔が「さっ」と赤くなる。信じられない、という勢い...

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