第145章

彼は錦の小箱を開いた。中には、鳩の卵ほどもあるピンクダイヤのリングが、静かに横たわっている。眩いほどにきらめいて、目を奪った。

『世界中に知らしめたい。白原花――君は、俺・藤原聡の、名実ともに唯一の妻だ』

彼は私の手をきつく握りしめ、目尻を赤くして言った。

『花、俺と結婚してくれる?』

私は口元を押さえた。涙が、堪える間もなく溢れ落ちる。

昨夜、彼が「式をやり直そう」と言ったのは、私をなだめるための方便だとばかり思っていた。

それなのに――こんな短い時間で、気づかれないように、息が詰まるほど盛大な『サプライズ』を用意していたなんて。

『……うん』

嗚咽まじりに頷くと、彼は重み...

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