第19章

林原静流には、自分の才能を見せつけるための「場」が必要だった。

そして私には、その場が必要だ。

――つまり、私たちは相性抜群ってこと。

「私が出資する」

私は彼女をまっすぐ見て、一語ずつ区切るように、はっきりと言った。

林原静流は固まった。ぱちぱちと瞬きをして、聞き間違いを疑うみたいに首を傾げる。

「……今、なんて?」

「あなたのスタジオに投資するって言ったの」

私は彼女の画集をそっと閉じ、目の前へ押し戻す。自分でも驚くほどの真剣さで。

「お金だけじゃない。あなたが『見られる』舞台も用意する。東京中――いえ、世界中があなたのデザインを目にする場所を」

父が私に押しつけた、...

ログインして続きを読む