第33章

白原花視点

彼は私の返事に満足したらしい。唇の端を意味深に吊り上げると、父へ一礼して踵を返した。

去っていく背中を見送りながら、私ははっきり理解していた。

今夜を境に、白原家の中での私の立場は――もう、以前とは別物になる。

そして私と彼の結びつきも、さらにきつく、ほどけにくくなる。

藤原聡一が出ていった瞬間、リビングに漂っていた、張りつめているのに妙に華やいだ、あの歪な熱気がすっと消えた。

白原博雄は、笑みを引っ込める暇すらないまま、藤原家との縁談という『福』に酔いしれている。私を見る目も、これまでになく柔らかい。

一方で、林原雨子と白原秋穂――母娘の顔は、まあ見ものだった。

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