第41章

予約のとき、「個室」「眺めがいい」ってところだけ見ていて、肝心の『部屋タイプ』欄に小さく書かれていた文字を見落としていた。

――『恋人のささやき』。

……最悪。完全にやらかした。

気まずさをごまかすようにテーブルの端へ腰を下ろし、部屋を替えるべきかどうか考え始めた、その時。

藤原聡が到着した。

扉を押して入ってきた彼は、今日も仕立てのいいダークスーツ。背筋はまっすぐで、圧は相変わらず強い。

だけど、私はほとんど反射みたいに『違和感』に気づいてしまった。

顔色が、いつもより少し白い。歩き方は落ち着いているのに、左腕の動きだけが微妙に硬い。ほんのわずか――だけど、見逃せない。

「...

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