第43章

藤原聡の視線が人垣を越え、まっすぐに私へ降りてきた。

その瞳に、私だけが読み取れる淡い笑みがふわりと滲む。

彼の背後に控えていた周防安富がすぐさま進み出て、あらかじめ用意されていた書類を二部、私と藤原聡の前にそれぞれ置いた。

「白原さん、どうぞ」

私はペンを取り、周囲が驚愕で固まる視線の只中、落款にさらりと署名する。

藤原聡も続けて名を記し、その手つきは淀みなく流れるようだった。

周防安富が一歩前へ出て、一部を目を見開いたままの白原博雄に差し出す。

澄んだ声が会議室に響き渡った。

「白原理事長。こちらは藤原グループと、御社傘下キキブランドの今後三年間における戦略提携契約です。...

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