第45章

工事現場の風は容赦なく、地面の砂埃を巻き上げては、彼の薄いシャツを肌に張りつかせていた。

乱れた髪。目の下の青い隈。

それを見た瞬間、胸の奥の名もない苛立ちは、さらに薪をくべられたみたいに燃え上がる。

「私が来なかったら、ここで倒れるまで働くつもりだったの?」

夜風より冷たい自分の声が、嫌になる。

視線は彼の腕へ落ちた。袖をまくった前腕――以前、包帯を巻いた痕。こんな劣悪な環境じゃ、治りかけの傷だって不安になる。

彼は、私がこんな調子で詰めてくると思っていなかったのだろう。一瞬だけ目を見開き、それからいつもの落ち着きを取り戻した。

傍にいた作業員たちへ、軽く手を振る。

「先に...

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