第49章

林原雨子の、一見すると気遣いに満ちているようでいて、実のところ鋭い棘を忍ばせたその一言で、ようやく和らぎかけていた食卓の空気は、またしても凍りついた。

彼女は私を徹底的に貶める一方で、白原秋穂を気立てのいい娘として持ち上げた。その腹の内がどれほど陰険か、考えるまでもない。

私は目を伏せ、茶碗の中の、きれいに骨を取り除かれた魚の身を見つめた。胸の内は、ただ冷たい。

こういうみっともない小細工には、もうとっくに慣れている。今さら、心が波立つことすらなかった。

けれど、隣にいる男には、どうやら私ほどの忍耐はなかったらしい。

「白原奥様、余計なご心配です」

藤原聡の声が響いた。大きくはな...

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