第59章

「おじさん」で私を縛ろうとするなんて。

あの白々しいほどの深情と、被害者ぶった顔を見た瞬間、胃の奥がぐらりとひっくり返った。

私は足を止め、ようやく真正面から彼を見る。

視線は氷みたいに冷たく、どうでもいい他人を眺めるみたいに感情を切ったまま、声にも温度を乗せない。

「陸原紀川。私が今日ここにいるのは、陸原お爺さんの顔を立てた、それだけよ。あの人がいなかったら、陸原家のこの門をもう一度踏むことすらなかった」

一歩前へ出て、彼の肩をかすめる。

耳元に、冷え切った警告だけ落とした。

「それに――」

わざと間を置いて、口角を嘲るように持ち上げる。

「あなたには、そこまでの面子はな...

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