第63章

私はざっと目を通し、陸原紀川が案の定、私のために『弁護』しているのを見つけた。

【花はそんな人じゃない。今の地位を築けたのは、全部彼女自身の努力の結果だ。大学時代の件は薄田先輩の一方的な言い分にすぎない。みんな、誤解しないでほしい】

表向きは私を守る言葉。けれど実際には、彼自身を「愛していたのに報われなかった、情の深い元恋人」という立ち位置に置き直しているだけだ。行間から滲むのは――『別れた今でも俺だけは彼女を分かってる。だから守ってやれる』という、薄っぺらい優越感。

グループの空気はすぐに変わった。単純な非難から、私が「陸原紀川みたいな一途な元彼を傷つけた」ことへの失望と軽蔑へ。

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