第69章

大人としての仮面を全部脱ぎ捨てて、ほとんど子どもみたいな期待を抱えた誕生日の願い。

それなのに私はさっきまで、商業的な利害だの冷たい条項だのを並べて、私たちの関係を解剖していた。

心臓を見えない手でぎゅっと握り潰されたみたいに、細かい酸っぱさと後悔が一気に込み上げる。

沈黙する私のせいで、少しずつ光を失っていく彼の瞳。そこに溜まった濃い失望が、いちばん細い針になって、私のいちばん柔らかいところを正確に刺した。

私はスマホをそっとポケットへ滑らせ、顔を上げる。重く沈んだ視線を、真正面から受け止めた。

『藤原聡』

自分の声が聞こえた。思ったより落ち着いているのに、はっきりとした重みが...

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