第80章

私は卑屈にもならず、かといって虚勢も張らず、まっすぐに彼の視線を受け止めた。背筋を伸ばし、改めて言葉にする。

「お父さま、ご安心ください。陸原家と白原家との因縁は、私自身の問題です。私の手で、きちんと片をつけます。藤原の力は一円たりとも借りませんし、藤原家の名誉に泥を塗るようなこともしません。私が聡さんと結婚したのは、権勢のためじゃない。聡さんという人を選んだんです」

私の率直さに、藤原川人の眼がわずかに揺れた。意外だったのかもしれない。

けれど、藤原聡の表情は冷えた。

彼は私をぐっと引き寄せ、腕の中に抱き込む。退かない目で藤原川人を見据え、声に鋭さを滲ませた。

「俺の妻だ。守るの...

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