第95章

『お前……なんで、それを……!?』

声が震え、目には露骨な恐怖が浮かんでいた。

私は鼻で笑い、スマホをバッグへ戻す。

『陸原紀川。この音声も、あんたたちが婚姻中の財産を動かした証拠も、全部バックアップ済みよ。これ以上つきまとったら――明日の朝には各メディアのトップに載せる。そうなったら陸原グループは完全に終わり。あんたと陸原園子も社会的に死ぬ。H市中の笑い者よ』

言葉は刃だった。狙い澄ました一突きで、彼の急所を抉る。

陸原紀川はその場にへたり込み、全身を震わせた。

瞳の光がすうっと消え、残ったのは底なしの絶望だけ。

惨めな負け犬の姿なんて、もう見ていられない。

私は左手をゆっ...

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