第143章 あなたは叔父の妻?

 夕暮れの七時十五分、空から大粒の雨が降り始めた。

 街の歩行者は慌ただしく行き交い、土のくぼみには雨水が溜まっている。

 御影星奈はパトカーに乗り、警察署へと連行された。

 同行したのは謝部綾人一行だ。

 彼らはそれぞれ、個別に事情聴取を受けることになった。

 謝部綾人の番になると、聴取を担当していた警官の顔色が一変した。

「謝部様、どうしてここに?」

「どうしてだと思う?」

 謝部綾人は意味ありげに言った。

 男の蒼白く整った顔には、笑っているようで笑っていないような表情が浮かび、漆黒の瞳に見つめられると、心がざわついてくる。

 警官はすぐに申し訳なさそうに笑った。

...

ログインして続きを読む