第180章 突然現れた元夫

「きゃっ」

 富樫円香がわずかに遅れ、再び蒼井綾が悲鳴を上げた。

 御影星奈は片手で耳を揉み、その姿が立つ場所へと冷たい眼差しを向けた。

 老人は目測で一メートル四十センチほどしかなく、体は九十度に折れ曲がり、背中には大きなこぶが隆起している。

 懐中電灯の光に照らされ、彼女の顔は皺だらけで、その両目は白目しかなく黒目がなかった。

「め、目玉がないっ」

 蒼井綾は恐怖でまともに言葉も話せなくなっていた。

 彼女は近くにいた誰かの腕を掴むと、またしてもコアラのようにその体にしがみつこうとする。

 富樫円香はうんざりしたように彼女の頭を押し返した。

「蒼井綾! あんたそんなに怖...

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