第191章 元夫が聞く、恋愛しているのか?

 男の声は低く、磁性的だった。

 彼は御影星奈より頭半分ほど背が高く、彼女の前に立つと、たちまち影が落ちてくる。

 御影星奈は心底、彼にうんざりしていた。

 彼女は顔を上げ、笑っているのかいないのか分からない表情で言った。

「どこへって、決まってるじゃない。彼氏とディナーに行くのよ」

 瀬央千弥が御影星奈の口から彼氏の存在を認められたのは、これが初めてだった。ただでさえ沈んでいた心に、さらなる一撃を食らった。

 彼は顔面蒼白になり、呼吸さえも苦しげになった。

 冷厳な眉目、その奥にある切れ長の鳳眼が、じっと女を見据えている。

 御影星奈は、御影伽耶とは違う目をしていた。

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