第215章 彼は言った∶あなた以外の人はいない

夜、富樫円香と御影星奈は一緒に謝部綾人の車に乗せてもらって帰路についた。

車内。

富樫円香は何かしらを忘れているような気がしてならなかった。

携帯の通知に新しいトレンドが表示されているのを見て、彼女ははっと気づく。

【人気俳優・永瀬時、某レストランのトイレで昏倒、深夜ICUに搬送……】

「御影さん、永瀬時って、もしかしてあの霊にやられたの?」

御影星奈も謝部綾人を他人扱いするつもりはなかった。

彼女は気だるげに言った。「自分の精血で霊を養っていたんだもの。霊が死ねば、その反動は必ず受けるわ」

しかも永瀬時はかなり長い間、それを続けていた。

本来、人相から見れば、彼の運命は一...

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