第225章 一緒に抱きしめる

 休憩室の雰囲気はあまりにも重苦しく、御影星奈は三毛猫を床に下ろし、自らは身を翻してその場を去った。

 数人が話に花を咲かせており、羽瀬響もろくに休めず、ソファに座って目を閉じ、寝たふりをしていた。

 女が立ち去ったことに気づいたのは、謝部綾人だけだった。

 彼はためらうことなく立ち上がり、後を追った。

 吹きつけてくる寒風が背筋を凍らせる。青石畳の地面は滑りやすく、両脇の木々は葉を落とし裸だった。

「御影お嬢さん」

 謝部綾人が彼女を呼び止めた。

 女の歩みが止まり、そして振り返る。

 二人の間には一メートルほどの距離があり、視線が空中で交錯する。

 一方は冷淡で、もう一...

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