第233章 虎毒でも子を食わない

「御影様、どうか、どうか私を助けてください!」

 その声は凄まじく、底知れぬ恐怖に満ちていた。

 地面に跪いているのは、ぼろを纏い、髪が鳥の巣のように乱れた中年男だった。

 両手を凍てつく地面についており、指の関節は赤く腫れ上がり、しもやけが化膿して皮が破れている。その様は見るに堪えない。

 集まってきた人々の中には、不憫に思い、目を背ける者もいた。

 真冬だというのに、誰もがダウンジャケットや厚手のコートに身を包んでいる。

 だが、目の前の男は薄手の穴あきセーター一枚で、靴さえも靴底が破れていた。

 剥き出しになった足指は血で固まっており、見ているだけで痛そうだ。

「さっき...

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