第238章 婚約する

御影星奈はスマホの音量を最大にしていたうえ、部屋の中は静まり返っていたため、富樫円香の言葉は二人の耳にありありと届いた。

松山守は驚きと喜びが入り混じった表情を浮かべる。

対する謝部綾人は、瞬時に顔を曇らせた。

御影星奈を連れて子犬系男子を探しに行く?

よくもまあそんなことが言えたものだ。

男は突如湧き上がった殺気を抑え込み、口元の笑みも幾分か薄れていた。

二人は同時に御影星奈に視線を落とす。

女はそれに気づかないふりをし、目を伏せ、気だるげに尋ねた。

「へぇ? 子犬系男子?」

「そうそう、子犬系男子よ! 最近の男性アイドル練習生って、みんなすごく可愛いんだから。でも御影さ...

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