第304章 あなたは私に本当に心動かないの?

車のナンバーはK市ローカルのものだった。

 御影星奈はちらりと一瞥しただけで、江ノ島美波が駆け寄ってきて出迎えるのが見えた。

 江ノ島美波はコットンワンピースを身にまとい、丸みを帯びた顔に満面の笑みを浮かべている。彼女はそのまま親しげに御影星奈の腕に絡みついた。

「御影様!」

 あのセレブディナーから半月以上が過ぎている。江ノ島美波のこの様子からすると、失恋からは立ち直ったようだ。

 御影星奈はK市での部屋の鍵を彼女に渡す。

「私は中には入らないわ」

「御影様、お菓子も用意してあるんですよ、入って食べていってくださいな! 心ちゃんも今日うちにいるんです……」

 江ノ島美波は小...

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