第316章 御影様が現任の兄の命を救った

時間は飛ぶように過ぎていく。

あっという間に夜の帳が下り、濃密な闇がJ市を包み込んだ。

高層ビルが林立し、灯りが煌々と輝いている。

御影星奈はスポーツカーを駆り、高速道路を疾走していた。

一対の美しい瞳は冷ややかに前方を捉え、細く白い両手がハンドルを握っている。

腰まで届く黒髪は、高い位置でポニーテールに結ばれていた。

耳元には、数本の髪がはらりと落ちている。

特殊管理部門は市街地の外れにあり、目的地まではまだ三十分ほどかかる。

謝部綾人から電話がかかってきて、御影星奈はそのままスピーカーフォンにした。

「星奈ちゃん」

電話の向こうは少し騒がしく、やがて足音がして、男が静...

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