第330章 彼は御影様の犬

残業を終えたばかりだというのに、またしても車の借用を頼み込んできた瀬央千弥に、「…………」

 彼は今年、一体どうしてしまったというのだろうか?

 何の問題もなかったはずなのに、なぜハッカーは彼の会社ばかりを狙って攻撃してくるのか?

 男のこめかみがピクピクと痙攣し、今夜は何一つとして順調に進まないと感じていた。

 彼はこれ以上時間を無駄にすることなく、すぐさま運転席に乗り込み、車を発進させた。

 冗談ではない。

 すでに損失は億を超えており、少しでも遅れれば損失は増え続ける一方だ。

 その程度の金は彼にとって大した額ではないとはいえ、何事も気にしない愚か者というわけでもない。

...

ログインして続きを読む