第337章 御影様またまた大技を出した

月は黒く、風は高く吹く。

冷たい風が吹きすさび、河道の両側には人の腰ほどの高さの雑草が茂っている。

遠くから聞こえてくる悲痛な泣き叫びと命乞いの声がかすかに聞こえる。

銃声が聞こえても不思議ではない。

河の向こう岸は、誰もが恐れをなして語るD国だった。

御影星奈の顔の大部分は闇に隠れており、美しい桃花眼だけが寒光を放っている。

薄い衣服一枚だけを身に纏い、袖口は雑草に残った雨水で濡れそぼっていた。

風が吹くと、骨まで冷えて鈍い痛みを感じる。

しかし御影星奈は何事もないように歩き続けた。

身に温暖のお札を帯びており、寒気を直接遮断していた。

神に知られず鬼に気づかれずに向こ...

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