第390章 現任の兄:星奈ちゃん、助けて、お願い

 謝部綾人はすぐには答えなかった。

 見つかってしまった気まずさが、胸の内にこみ上げてくる。

 耳の先が赤く、熱くなっていた。

 蒼白で美しいその顔には、普段は見られない妖艶な色気が浮かんでいる。彼は顔を背けようとしたが、御影星奈はその考えを見透かしたかのように、もう片方の手で彼の顎をくいと掴んだ。

 これで二人は正面から見つめ合う形になった。

 女のその桃花眼は潤み、魂を奪うほどに人を惹きつける。謝部綾人はその瞳の中に、はっきりと自分の姿が映っているのを見た。

 心臓の鼓動が、さらに速まる。

 彼は掠れた声で口を開いた。「星奈ちゃん……」

「謝部綾人、私って綺麗?」

 御...

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