第409章 口は心と違うお婆さん

二人が待ち合わせた喫茶店は、とある路地裏に佇んでいた。

開店して間もないため客足はまばらだが、幸いにもハンドドリップのコーヒーは口当たりが良かった。

透明なガラス窓の向こうには路地の外の風景が広がるが、一等地の華やかな店と比べようもない。

先ほどの『泥棒!』という叫び声は、その外から聞こえてきたものだった。

御影星奈が目を伏せて見下ろすと、全身を覆った男が何かを抱えて脱兎のごとく走り去っていく。

その後ろを、息を切らした小太りの女性が必死に追っているが、どう見ても追いつけそうにはなかった。

結城梓はすでに携帯を取り出し、通報しようとしている。

一方、御影星奈は断頭鬼を一言呼びつ...

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