第429章 彼を殺したい

その言葉に、御影星奈の動きは案の定ぴたりと止まった。

上山瑾は途端に安堵のため息を漏らす。

彼は時間を稼ごうとしていた。実力が半分でも回復すれば、真っ先に逃げ出すつもりだった。

情けない考えではあるが、現状ではそれが最善策だ。

狂人に体力を根こそぎ奪われたばかりか、怪我まで負っている。今、無闇に御影星奈とやり合っても勝ち目はない。

上山瑾も馬鹿ではないのだ。

胸の内で沸き立つ怒りを抑えつけ、男は御影星奈の顔を凝視し、その表情から現在の心境を読み取ろうと試みた。

だが残念なことに、相手は眉一つ動かさず、無表情のままだ。

眼差しは氷のように冷たく、その瞳の奥は静まり返っており、ま...

ログインして続きを読む