第434章 背中を拭いて

 謝部綾人がキッチンを片付け終え、階段を上がってきた。

 男はラフな部屋着姿で、クルーネックの薄いセーターからすっと伸びた首筋がのぞいている。

 喉仏がセクシーだ。

 二階に上がったところで、御影星奈が彼の名を呼ぶ声が聞こえた。

 男の足取りが速まり、ほどなくして御影星奈の部屋に姿を現した。

 顔を上げた瞬間、男はそのままその場に凍り付いた。

 全身の血が頭に上る。

 謝部綾人は、最近滋養強壮の類を何も摂っていなくてよかったと心から安堵した。さもなければ、今日は確実に恥をさらして鼻血を流していただろう。

 彼は自制心を働かせて指をきつく握りしめ、呼吸を整える。

 目の前の女...

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