第472章 随分と趣味が独特になりましたね

数台の高級車が、菩提道観の門前に見せつけるように停められた。

「お嬢様、どうぞ」

 ボディーガードが恭しく車のドアを開けると、中から毛皮のコートを纏った妖艶な女が降り立った。

 大きなウェーブのかかった赤い髪が陽光を浴びてきらめき、派手な厚化粧を施している。片手でサングラスを外すと、切れ長の目でうんざりしたように周囲を見回した。

「慕希兄さんは本当にここにいるの?」

「羽田お嬢様、位置情報によりますと、間違いなくここでございます」

「わかったわ」

 羽田佳奈はハイヒールを鳴らして中へ向かう。外の門は半開きになっており、軽く押すだけで開いた。

 扉がギィ、と音を立て、ハイヒール...

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