第515章 彼女の物を盗んだ

子供の霊は呆然と目を開き、まるで自分の意志ではないかのように手足が動き出した。

彼は相手の拳を正確に受け止めた。予想していた痛みは襲ってこない。

相手は驚愕に目を見開く。

信じられないといった様子で、譫言のように呟いた。

「ま、まさか! ありえない……お前が……」

これまで、子供の霊はずっと彼らの鬱憤晴らしの道具であり、恰好の獲物だった。

痩せこけた小柄な少年は決して反抗せず、どれほど酷いことをされても唯々諾々と従うしかなかったのだ。

教師に訴えたところで、事勿れ主義を決め込まれるのが落ちだった。

それどころか、『どうして他の子じゃなく、お前が虐められるんだ? 自分に原因があ...

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