第521章 御影様大活躍

その言葉が落ちると同時に、部屋は瞬く間に静寂に包まれた。

中年の男は、瀕死の重傷を負い傷だらけになった息子を、信じられないといった様子で見つめる。その言葉は、男が封印していた忌まわしい記憶を呼び覚ましたのだ。

鞭を握るその手が、小刻みに震えている。

「き、貴様、黙れ!」

風を切り裂いて振り下ろされた鞭が男の胸板を打ち据え、瞬時に鮮烈な血痕が浮かび上がる。

富田心恒の体には、もはや完治した皮膚など一箇所も見当たらなかった。

激痛の波が引くのを待ち、富田心恒は再び男の目を真っ向から見据えた。その口調は虚弱だが、氷のように冷え切っている。

「なんだ、言わなきゃ忘れるのか? 俺の名は富...

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