第539章 もしかしたら逃がしてやるかも

小石が一つ、弾丸のような速度で奥村美里の手首を直撃した。

「痛っ!」

悲痛な声と共に、手からお札がひらりと舞い落ち、地面に散らばる。

「奥村美里、息災のようね」

凛とした女の声には、微かだが冷ややかな嘲笑が混じっていた。

声のした方へ顔を上げると、真っ先に目に飛び込んできたのは、白くすらりと伸びた脚だった。

池端朔は反射的に身を引いて道を空ける。

周囲の者たちも同様だった。

彼らは皆、御影星奈の悪名を耳にしていた。その美貌と卓越した能力を持つ女に対し、彼らは心底からの忌避感を抱いていたのだ。

だが、いくら想像を巡らせたとしても、まさか現実で遭遇する日が来るとは夢にも思ってい...

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