第564章 悪役は喋りすぎて死ぬ

凝縮していた黒い霧が、瞬く間に四散する。

そして、操られていた『清虚真人』の瞳に、一瞬だけ正気が戻った。

死に絶えていた双眸に新たな光が宿る。御影星奈は彼の面前に立ちはだかっていた。その美貌とは裏腹に、眼差しからは凄烈な殺意が迸っている。

「……星奈ちゃん?」

掠れたその声は、不確かな響きから確信へと変わっていった。

清虚真人は、目の前に立つ人物が愛弟子である御影星奈だと認識したのだ。

両手両足は拘束されている。

だが、意識だけは一時的に鮮明だった。

御影星奈も即座に相手の異変を察知し、旋回していた封魔剣が軌道を強制的に変え、主の手元へと戻る。

「師匠?」

「星奈ちゃん、...

ログインして続きを読む