第97章 私は潔癖症

 あまりに突然の出来事に、御影星奈はそのまま男の腕の中に抱きすくめられた。

 馴染みのあるミントの香りが、絶えず鼻腔をくすぐる。

 ドン、という音と共に。

 瀬央千弥は片手で彼女の頭を庇いながら地面を数回転がり、二人の距離は目と鼻の先まで迫った。

 御影星奈は、相手のドクドクと鳴る心臓の音さえはっきりと聞き取ることができた。

 わずかに顔を上げると、男のシャープな顎のラインが目に映る。

 瀬央千弥は危険を察知し、咄嗟に飛びかかって彼女を押し倒し、悪霊の攻撃を避けたのだ。

 だが、彼女の後ろに立っていた皆条甘と皆条信は悲惨な目に遭った。

 皆条信は妹を守るため、陰気をまともに食...

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