第4章
けたたましい着信音に、微睡みから引きずり出された。目を細めて時間を確認すると、午前十時。ちくしょう、七時間も眠れたなんて。最近の不眠症を考えれば、奇跡に近い。
「絵里? よかった、出てくれて!」歩美の声は、抑えきれない興奮で弾んでいた。「今すぐ出られる?」
私はまだ霞のかかった頭のまま、身を起こした。「どうしたの?」
「ハーパーズ バザーよ!」彼女はほとんど叫んでいた。「そこのメイクアップアーティストが急病で、今日の午後に表紙の撮影があるんだけど、代わりが至急必要なの! ギャラは通常の三倍!」
危うくスマホを落としそうになった。ハーパーズ バザー? ファッションのバイブルとも言...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章

5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章


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