第9章

一睡もできなかった。

ベッドで何度も寝返りを打ちながら、悟さんの言葉が頭の中で何度も響き渡っていた。「明日の夜、写真展のオープニングがあるんだけど。僕の同伴者になってくれないか?」

「コンパニオン」というその言葉が、まるで呪文のように私を捉え、心の奥で無限に反響していた。

そして、誘ってくれた時の、私を見る彼の眼差し……あまりにも深く、真剣で、私が認めるのをためらうほどの優しさをたたえていた。心臓はまだ、完全に落ち着いてはいない。

この感じ……どう考えても、ただの友人としてのお誘いには思えない。

でも、私の思い過ごしかもしれないと思うと、怖くてたまらない。もしただ社交辞...

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