第219章

彼の声は低く艶を帯びていて、ギターの音と溶け合った。

クラシックギターの旋律は上品で落ち着いている。藤原悠人の指先にかかると、まるでイギリスの紳士が詩を低く吟じているみたいだった。

曲は長すぎず短すぎず。ただ、彼が楽器に触れるのは本当に久しぶりなのだろう、運指はところどころぎこちない。

それでも指は長く、温かみがある。節の線はくっきりとしていて、オフィスの外から差し込む日差しが彼の肩を照らし、きらりと金色に跳ねた。

音が着地するたび、凛の心臓も弦に合わせて跳ねる……。

「初めて弾いたんだ。次は、機会があれば……婚約者にもっといいのを弾く」

凛は視線を引き、伏せた睫毛で表情を隠した...

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