第101章

「警察のほうは、何かわかったの?」

山本祐翔の表情が、すっと沈んだ。

「事故を起こした運転手は、その場で死亡。解剖の結果、飲酒運転だった。口座には確かに、事故の直前に多額の送金が入ってる。ただ、誰が指示したのかは、まだ特定できてない」

雪奈の指がきゅっと強張るのを見て、祐翔は言葉を選ぶように一拍置き、続けた。

「警察も追ってる。たぶん、そう時間はかからない」

雪奈はそっと目を閉じ、椀を置いた。指先が、氷みたいに冷たい。

胸の奥には、ひとつの疑いがある。けれど証拠がない以上、軽々しく口にするわけにはいかなかった。

もし――自分の思っている通りなら。

あの女は、もう正気じゃない。...

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