第105章

雪奈は少し湿った髪をざっと拭き、コートを羽織ると、そのまま外へ出た。

例の品は、連絡してきた警官のオフィスにまとめて保管されていた。数は多くない。車内にあった細々した私物や、書類の燃え残りのようなものが、いくつかの回収袋に分けられている。

「小林さん。事故車両の残骸から見つかった、判別できる範囲の私物です。大事なものがないか、あるいは処分が必要なものがないか、ご確認ください」

警官は袋を机に置き、事務的にそう告げた。

雪奈は礼を言い、袋を受け取ってその場を後にする。マンションへ戻ってようやく腰を落ち着け、ひとつずつ、ゆっくり中身を確かめ始めた。

ほとんどがひどく損傷していた。火にあ...

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