第109章

「……君が本当に彼女のことを思っていて、負い目があるって言うならさ。熟慮期間くらいは腹を括って、適度に距離を取るべきだ。彼女に“本当の自由”を返してやる。それが一番だろ」

「君みたいに、表では何も言わない顔をしながら裏で生活や仕事に口を挟めば挟むほど、彼女は追い詰められる。居場所がなくなるんだ。彼女にとっても、君にとっても……それに、彼女を大事に思ってる人間にとっても、いいことにはならない」

山本祐翔が責めているのは、小林凌輝の「近づき方」だった。

それは別の形をした圧力であり、雪奈が新しい生活を始めるのを邪魔している――そう言いたいのだ。

小林凌輝は、掛け布団の上に置いた手を、ほと...

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