第113章

そう言い終えると、彼は扉を閉めようとした。

「お兄ちゃん!」

山本莉乃は慌てて足を差し込み、扉の隙間を押さえた。トレーの上の粥が揺れて、どろりとこぼれる。

とろみのある熱が指先を焼き、びくりと手が縮む。痛みをこらえたまま顔を上げると、瞳の縁にみるみる水が溜まり、声には泣きそうな震えと懇願が混じった。

「そんなふうにしないで……。私、お兄ちゃんが私のこと嫌いなのも、お母さんのこと嫌ってるのも分かってる。でも……同じ屋根の下で、こんなに長く一緒に暮らしてきたじゃない。私、ずっと本当のお兄ちゃんだって思ってたの。お兄ちゃんがそんなふうだと……私、ほんとに、つらい……」

言いながら涙がこぼ...

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