第115章

電話の向こうから、小林凌輝の低く切迫した声が飛んできた。聞き取りづらいほど抑えているのに、張り詰めた焦りと不安が滲んでいる。

「大丈夫か? 何度かけても電源が入ってなくて……」

「小林凌輝」

雪奈が遮った。声は掠れていて、ぞっとするほど痛んでいる。なのに口調だけは異様なまでに静かで、その静けさが逆に胸の奥をざわつかせた。

「前にあなたが言ったこと、受ける」

電話の向こうで、小林凌輝が一拍遅れて息を呑む気配がした。

「……何の話だ?」

「連中を炙り出す」

雪奈は一語ずつ、噛みしめるように言う。

「あなたのやり方でいい。どんな手を使ってでもいい。百倍、千倍の代償を払わせたい」

...

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