第118章

「人は確保しました」

秘書はそこで言葉を切り、さらに声を落とす。

「少し手間取りました。最初は口が堅くて、『金をもらって運んだだけだ。雇い主は知らない』の一点張りで。ですが……多少“特別な手”を使いまして。それに、事が済んだらまとまった金を渡して家族ごと海外へ出してやる、と約束したところで、ようやく口を割りました」

秘書はすぐ別の音声記録を呼び出した。

「連絡してきたのは、音声を加工したネット通話で、名乗りは『Zさん』。報酬は破格で、荷物は夜の指定時刻に必ず初雪アトリエへ届けろ、受け取りは白井さん本人のサインが条件だ、と」

「それと、あの写真も『Zさん』が用意したそうです」

秘書...

ログインして続きを読む