第121章

老人の視線が二人のあいだを行き来し、さらに部屋の中――明らかに二人が暮らしている痕跡へと移る。瞳の奥に、言葉にしがたい複雑な色がさっとよぎった。

「おじいちゃん、どうしてここに?」

小林凌輝が立ち上がり、雪奈もそれに続いて席を立つ。

「お前の様子を見に来た。それと、雪奈の顔もな」

小林爺さんはソファに腰を下ろし、二人にも座るよう手で促した。

「ここへ引っ越したと聞いてな。心配で見に来た。ついでに――伝えておかなきゃならんこともある」

小林凌輝と雪奈は視線を交わし、隣のソファへ座る。

小林爺さんは回りくどい前置きはせず、いきなり核心に入った。

「凌輝。昔の小林グループの内部、特...

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