第126章

本気で撃ち合えば――勝敗は、読めない。

だがその場合、危ないのは雪奈だった。彼女はあの中年男のすぐそばにいる。交戦になった瞬間、流れ弾に当たる可能性が高すぎる。

男は、小林凌輝が一瞬ためらったことに満足したらしい。くつくつと笑い、首を横に振る。その目には、猫が鼠を弄ぶような嘲りが浮かんでいた。

「小林社長……まだ若いな。俺がここでお前を待ってたってことは、万全の準備をしてるってことだ。お前が策を重ねるなら、こっちだって重ねるに決まってるだろう?」

言いながら、男はじりじりと下がる。工場の奥、目立たない脇門へ向けて。

周囲の黒服が即座に陣形を縮め、男を中心に囲い込む。銃口は小林凌輝の...

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