第127章

雪奈が目を覚ましたとき、自分が見知らぬベッドに横たわっていることに気づいた。

頭はずしりと重い。視界に飛び込んできたのは、荒れ果てた部屋の惨状だった。天井はやけに低く、黄ばんだ壁紙はところどころ剥がれ落ちている。頭上の吊り下げ照明がゆらゆら揺れ、くすんだ光を落としていた。

湿ったカビの臭いに、消毒液のツンとした刺激が混じる。

雪奈は身を起こそうとして、思わず顔をしかめた。思考がまとまらない。まるで頭を殴られたみたいだ――そう感じた瞬間、遅れて手首の痛みに気づく。深く食い込んだような痕が二本。まだじくじく疼いている。

ここは、彼女の知っている場所じゃない。

見回すと、部屋は狭い。ベッ...

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