第131章

空がすっかり落ちた。

雪奈はベッドの端に腰を下ろし、指先で針金を何度も何度も撫でた。

成功するかどうかは分からない。けれど、これしかない――それだけは分かっていた。

どれほど時間が経ったのか。廊下の足音が完全に途絶え、建物全体が深夜の沈黙に沈む。

雪奈は息を吸い込み、針金を鍵穴へ差し込んだ。緊張で掌がじっとり汗ばむ。

指先に伝わる、シリンダーの中のかすかな抵抗。そっと、二、三度つつくように動かして――

カチリ。

開いた。

雪奈は息を止め、数秒だけ耳を澄ます。外は無音。そっと扉を引き、顔だけを覗かせた。

廊下はがらんとしている。突き当たりの薄暗い灯りだけが点いていて、鈍い光の...

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