第141章

下村さんは前に出て、山本祐翔の部屋の扉を軽く叩いた。返事はない。もう数回叩き、声をぐっと落として呼びかける。

「若様、私です」

しばらくして、扉が開いた。

扉の向こうに立っていた山本祐翔は、血の気が引いたように青白い。唇は乾いてひび割れているのに、目だけはまだ澄んでいた。

下村さんの手元にあるものへ一度視線を落とすと、祐翔は黙ったまま身を引き、部屋へ通した。

下村さんは粥をテーブルに置き、続けて軟膏を取り出して同じくテーブルの上へそっと置く。

「若様、外の薬屋で買ってきた軟膏です。安藤先生のものほどではありませんが、炎症を抑えて痛みも和らげます。ひとまずこれでしのいでください。二...

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